夢は牛のお医者さん

時田美昭(作) 江頭路子(絵) 小学館

あらすじ

夢をあきらめないひとりの少女の物語。

新潟県の山あいにある小さな小学校に3頭の子牛が“入学”してきましたーー。

当時、小学3年生だった少女が、牛の世話をするなかで抱いた夢・・・・・・、

それは「牛のお医者さん」。

懸命に世話をした牛との別れ、家族や周囲の支えと夢への熱い思いを胸に挑んだけわしい獣医師への道。

そして、“ペット”ではなく、“家畜”のお医者さんとなったかつての少女は、今も「いのち」と向き合いながら、日日戦っています……。

2014年春に単館上映からスタート、その後大きな話題となったテレビ新潟製作の同タイトル映画を絵本にしました。

観客の感動と涙をよび、公開からわずか4ヶ月でミニシアターでは異例の2万人を突破。ぴあ初日満足度ランキング1位を獲得。以後、日本映画ペンクラブ賞、日本映画批評家大賞、日本民間放送連盟賞など多くの賞を受賞し、いまなお各地で上映が続いています。

“夢をあきらめない”を、全国のこどもたちたちに届けます。

<Amazonより>

子育てワンポイントアドバイス

「宿題をしなさい!」「勉強をしなさい!」と親が何度言っても、親が怒っても、大抵の子どもは言うことを聞きません。

心理学者のアルフレッド・アドラーも
「叱ることは悪い習慣を身につけさせる、最高のトレーニングだ。」
と言っています。

このような絵本を読むと、<夢を持つこと><夢に向かって努力すること>に焦点が当たりがちです。

また、このような本を読むと、「夢を持ったら勉強をするようになるから夢を持って欲しい」と考え、子どもに<夢を持つことを強要してしまう>かもしれません・・・。

さらに、「<夢を持っていないこと><夢に向かって努力していないこと>は悪いことだ!」と親子で感じ、自己嫌悪になる可能性も考えられます。

でも、実際には、<子どもの頃からの夢を叶えた人>は、それほど多くはないのではないでしょうか。

では、この絵本から私達は何を学べるのでしょうか。

それは、
「命をいただくということ」かもしれません。
「私達の<食>には多くの人が携わっているということ」かもしれません。
「心が動く体験が将来の夢につながること」かもしれません。
他にもあるかもしれません・・。

ただ、「心が動く体験が将来の夢につながること」ということに関して言えば、人生の方向性を決めるきっかけは人によって様々です。

だからこそ、私達親は、子ども達の未来のために、絵本を読んだり話をしたり体験を積んだりできるようにすることが重要だと感じています。

この絵本はこのような方にお勧めです。

・「命をいただくということ」の大切さを親子で学びたい方
・「食には多くの人が関わっているということを」親子で感じたい方
・「心が動く体験が夢につながるということ」を実感したい方