ひまわりのおか

葉方 丹 (著), ひまわりをうえた八人のおかあさん (著), 松成 真理子 (イラスト)

もし、今日が最後だとしたら・・・?

2011年3月11日。

東日本大震災による津波で、
全校児童108名の七割に当たる、
74もの大切な命が奪われてしまった、
宮城県石巻市立大川小学校。

わが子をなくしたお母さんたちは、
子どもたちが避難しようとめざした場所に、
ひまわりを植えはじめました。

お母さんたちは、ひまわりの世話をしながら、
子ども達のことを話します。

太陽に向かって元気に育つひまわりの姿は、
愛する子どもたちの姿と重なって見えるのでした。

子育てワンポイントアドバイス

私は、毎日のように、子育てのアドバイスを行っています。

お子さんの出来ていないことに関するご相談も少なくありません。

その際に、
「できていること、注意や指示をして改善したことを、
褒めたり認めたりしていますか?」
と尋ねると、
「できていません」という親御さんが非常に多いのです。

ほかには、
「叱る割合と褒めたり認めたりする割合」を尋ねると、
叱る割合の方が多い親御さんが、ほとんどなのです。

本当に、それで良いのでしょうか?

この絵本は、ひまわりを植え始めた8人のお母さんたちの、
わが子へ宛てた手紙やお話をもとに作られた絵本です。

絵本の最後に、8人のお母さんたちの手紙が掲載されています。

お母さんは8人ですが、
命を落としたお子さんは14人・・・・。

3人のお子さんを失ったお母さんもいるのです。

このお手紙に書いてあるのは、
お子さんの良いところやできていたところ。

そして、後悔・・・。
「もっとたくさんギューッと抱っこすればよかった」

「こんな事になるんだったら、
もっともっと抱っこしてあげればよかった。
もっともっと色んな所にふたりを連れて行ってあげればよかった」

「もっと一緒にいて、甘えさせてあげればよかった」

子育てに悩んでいる親御さんへ、
お尋ねしたいことは、次のことです。

「もし、あなたがお子さんと過ごすのは、今日が最後だとしたら、
あなたは、お子さんへ、どのような態度をとりますか?
どのような言葉をかけますか?」

今浮かんだ答えは、どのようなことですか?

そのことを、今日、あなたのお子さんへなさってはいかがでしょうか。