つりばし わたれ

長崎 源之助 (著), 鈴木 義治 (イラスト)

【子どもの気持ちがわかる】絵本

こんにちは、子育て絵本アドバイザーの山口理加です。

今回は【つ】で始まる絵本を紹介します。

これは、「中学生になったとたん、
先生もお母さんも変に大人扱いする・・・・・!!!」

中学1年生の長女が、
私に言った言葉です。

中学生になると、いろいろなことが急に変わるようです。

制服着用になり風紀検査が行われます。

教科ごとに先生が変わります。

中間・期末など定期テストが行われます。

上級生を「先輩」と呼び敬語で話します。

これは、私達も通ってきた道のりかもしれません。

通常、私達は、進学や就職をし、
変わった環境に適応する努力をしながら成長をしています。

物語の中では、
難しいことにチャレンジし、
できるようになることが、
成長の象徴になっていることが多いようです。

例えば、
壁を乗り越える。

つり橋を渡る。

他にもあるかもしれません。

「つりばし わたれ」は、
平成12年?13年に、
光村図書の小学3年生の国語の教科書に掲載された物語です。

お母さんの病気のため、
山に住むおばあちゃんに預けられたトッコは、
東京からやってきました。

トッコと遊んでもらうためにおばあちゃんは、
3人の子どもたちをよんできたのに、
トッコは東京の自慢ばかりしてなじもうとしませんでした。

だから、子どもたちは怒って、
「悔しかったら、つり橋を渡れ!」
とトッコに言いますが、
トッコは怖くて渡れません・・・。

トッコは一人で遊ぶのですが、
とても退屈です。

ところがある日、
一人の男の子がやってきて、
トッコはつり橋をとんとんと渡れたのです。

つり橋を渡ったとたん、
男の子は居なくなってしまいましたが、
そこには、3人の子どもたちがいたのです。

そして、トッコは、3人の子どもたちと遊ぶことができ、
山の暮らしが楽しくなったのです。

以上は、『つりばし わたれ』のあらすじです。

とても単純なお話しに聞こえる人がいるかもしれません。

この絵本に書かれている解説では、
子どもの内面の世界と外面の世界が、
見事に一緒に描かれています。
と書かれています。

さらに、
「この作品の文章は深く味わうねうちのある、現代のすぐれた名文です。」
と書かれています。

確かに、
わかりやすい言葉を選んで綴ってあるのに、
読むだけでイメージできるのです。

つり橋の恐ろしさや自然の雄大さを!

時間と空間があれば、
子どもたちはすぐに仲良くなります。

でも、もしかしたら、その前に、
ちょっとしたトラブルがあるのかもしれません。

この絵本を読むことで、親は、
子どもの内面と外面の両方を知ることができます。

子どもは、環境が変わった時でも、
友達と仲良くなるステップを身につけることができるかもしれません。

※※年中さん(4歳)くらいから読み聞かせができます。