ぞうれっしゃがやってきた

小出 隆司 (著) 箕田 源二郎 (イラスト)

夢と希望を持つことの大切さを学べる絵本

物が豊かな国で育っている私たちにとって、
「生きていく」というのは、「選択」の連続です。

例えば、「今晩のおかずのメニューは、何にしようかしら?」
「どのキャベツを買おうかしら?」のような毎日の選択があります。

また、過去には、「どの会社に就職しようかしら?」や
「どの人と結婚しようかしら?」や
「この人と本当に結婚して良いのかしら?」のような長い人生についての選択もあったと思います。

さらに、妊娠が判った際には、
「どの病院で産もうかしら?」や
「病院と助産院はどちらが良いかしら?」や
「『紙おむつ』と『布おむつ』はどちらが良いかしら?」や
「『紙おむつ』を選ぶとしたら、どのメーカーが良いかしら?」
のような、あなた自身と家族についての選択肢があります。

お子さんの成長に伴って、
「どの習い事をさせようかしら?」や
「どの幼稚園(保育園)に入園させようかしら?」
のような、お子さんに関する選択肢もあります。

「他人のために選択肢を作り選ぶ人」も大人の条件かもしれません。

そして、「他人のためのベストな選択肢を助けるために行動できる人」が、
偉人、つまり偉い人、のように、私は実感しています。

そして、あなたやあなたのお子さんにも、
「他人のためのベストな選択肢を助けるために行動できる人」
になっていただきたいと思います。

そのために、
知っていただきたい話があります。

話は、1940年代にさかのぼります。

第二次世界大戦中、日本では軍の命令でたくさんの動物たちが殺されました。

なぜならば、人間でさえ食べるものが無いのに、動物に食べさせるものが無いことと、
檻から逃げ出したら危険であるとということだからです。

しかし、戦後、2頭の象が日本で生きていました。

愛知県の東山動物園の人たちが、
どんな嫌がらせを受けても、必死になって象を守ったからです。

東山動物園は、なぜ象を守ることができたのでしょうか?

それは、当時の園長だった北王寺英一さんの、象への限りない愛情と、
軍部や警察に対しての必死の説得や、職員の努力、
軍所属の獣医大尉であったMさんの支援があったからです。

「歴史地理教育」2007年2月号によりますと、
象を守りぬけたのは、
第一は動物愛。
第二は敗戦近しと歴史を読み取る力。
第三は象はネコ科ではないと言い切った知性と勇気ある行動
第四は象を殺す命令を出さずに象の餌をそっと運ばせた獣医大尉との出会い
第五には園長の心情を知り、兵士の目を盗み餌を運びこんだ近隣の人の行動などでした。

それは、「愛情」と「情報活用」と「勇気ある行動」と「周りの人の協力」
の4つの力の成果なのです。

戦後から数年経ったある日、
東京の子ども議会の代表が「ぞうをかしてください」と東山動物園にお願いをしましたが、
象を東京へ運ぶことができませんでした。

その話を聞いた国鉄は、子どもたちのために特別列車を出しました。

これを「ぞうれっしゃ」と呼びます。

日本中から、ぞうれっしゃにのった子どもたちが、
東山動物園に象を見にやってきました。

この話を子どもにもわかりやすい文章と子どもの心に深い印象を与えてくれる絵で
描かれたのが『ぞうれっしゃがやってきた』の絵本です。

本当の平和教育とは、戦争の辛さや悲惨さを伝えるだけでなく、
平和の尊さを伝えることにあるように、私は感じています。

平和の尊さを伝えるのに、この絵本は、最適です。

この絵本を読むことで、
どのような環境であっても、
「愛情」と「情報活用」と「勇気ある行動」と「周りの人の協力」の力を活用し、
素晴らしい成果を得られる
という、夢と希望を持つ大切さを、親子で学ぶことができます。

子どもは親の気持ちに敏感です。
親が感動した絵本であれば、子どもにもその気持ちが通じます。

だから、この絵本については、対象年齢はお伝えいたしません。

なぜならば、全ての大人に、この事実を知っていただきたいからです。