おおかみと七ひきのこやぎ

グリム (作), フェリクス・ホフマン(絵), せたていじ(訳) 福音館書店

有名なグリム童話絵本の名作です。

怖いおおかみに気をつけるように、子やぎに言い残して
お母さんは町へ出かけていきます。

そこへ、おおかみがやってきてお母さんのフリをします。

何度も子やぎたちは、おおかみを追い返しますが、
最後は、お母さんだと思いドアを開けてしまいます。

帰って来たお母さんは、びっくり!

そして、おおかみのお腹から、子やぎたちを助けるというお話です。

おすすめのポイント

【しらゆきひめ】や【シンデレラ】や【おおかみと七ひきのこやぎ】
のような、誰もが知っているグリム童話は、
原作のまま絵本になっているのではありません。

原作のグリム童話は、残酷なシーンが含まれているようです。

しかし、だからと言って、全てをメルヘンチックに表現をすれば、
良いというわけでもないようです。

このようなお話は、可愛らしい挿絵を使用し、
美しいシーンだけをお話に使うことで、一般受けする絵本になります。

しかし、グリム童話に描かれている、物語の深さを伝えるためには、
可愛らしい絵や美しいシーンだけでは、物足りない絵本になってしまいます。

このように、誰もが知っているお話こそ、
絵や文章が素晴らしい絵本を選んで、
読んでいただく事で、親子で感性や感受性を高める事ができます。

この絵本は、グリーンを中心にした色遣いで、
本物に近いヤギが描かれています。

また、おおかみが井戸に落ちたシーンでは、
「おおかみ しんだ」
「おおかみ しんだ!」
と、子ヤギたちが叫びます。

子どもが読むことを考えながらも、
お子様ランチのように、子どもに媚(こ)びるのではなく、
子どもを、一人の人として尊重し、
尊重をした結果、伝えたい事を、絵と文章にまとめた絵本だと感じました。

お勧めの絵本の理由やお子さんの反応など

最近娘のお気に入りの絵本です。はじめは子どもが好む絵ではないような気がしましたが毎日くいいるように見ています。おおかみとこやぎの会話のリズムがとてもよく、家族で絵本のごっこ遊びがしやすいのでお勧めです。おかげで娘は内容をだいぶ暗記するようになって驚きです。
(愛知県在住、3歳7ヶ月女の子、日本語600 冊)