うろんな客

エドワード ゴーリー (著) Edward Gorey (原著) 柴田 元幸 (翻訳)

子どもの特徴がわかる絵本

毎日、子育てのお悩みのメールや電話をいただいていますが、
ほとんどの悩みには共通点があります。

それは、どのようなことだと思いますか?

それは、
「子どもは、おとなしいのが、当たり前」
「子どもは、いたずらしないのが当たり前」
「子どもは、かんしゃくを起こさないのが当たり前」
「子どもは、大人の言うことを聞くのが当たり前」
「子どもは、大人と同じように行動するのが当たり前」
と、【無意識に】思ったり理想を持ったりしていることです。

そして、少しでも、「騒ぐ」「いたずらする」「かんしゃくを起こす」
「言うことを聞かない」「大人と違う行動」をすると、
「どうして・・・・?」と
悩んだり落ち込んだりするのです。

しかし、
「子どもは騒ぎます」
「子どもはいたずらします」
「子どもはかんしゃくを起こします」
「子どもは大人の言うことはききません」
「子どもは大人と違った行動をします」

これが、子どもの特徴なのです。

そして、このような行動を繰り返しながら、
子どもは、大人になっていくのです。

このような子どもの特徴を、
頭では分かっているかもしれませんが、
理解しきれていない親御さんが多いように、私は感じていますが、
いかがでしょうか?

絵本は、絵と文章で、耳と目を刺激しますので、
大人の心にも響きます。

エドワード・ゴーリーの「うろんな客」は、
ペンギンに似た謎の生きものがある日突然やってくる場面から、
話が始まります。

この絵本は、英文と短歌形式の和訳文が表示されていますが、
英語の原文では、その生き物を「It」と記載しています。

Itは、家族が困った顔をしても気にせずに、
やりたい放題し放題!

それでも、家族は愛情をもって見守っています。

Itは、
ある人にとっては子どものことであり、
ある人にとってはペットだったり、
するかもしれません。

なぜならば、迷惑をかけるようなことをするのだけれども愛する生き物だからです。

そして、それを教えてくれるのが、この絵本なのです。

作者のエドワード・ゴーリーは、独特の韻を踏んだ文章と
独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表しています。

ニューヨーク・シティ・バレエ団の舞台美術も手掛けました。

訳者の柴田元幸さんは、アメリカ文学研究者、翻訳者、
東京大学文学部教授です。

「うろん」というのは、初めて聞いた言葉でしたが、
大辞林によると、次の意味です。

疑わしく怪しいこと。
不確実であること。あやふやなこと。
みだりがわしいこと。勝手気ままなさま。乱雑。

この絵本は1957年に、アメリカで発表されました。

アメリカでは、90年代に再版され、日本でも発行されました。

本文中には、
英文と短歌形式の和訳文が記載され、
独特なモノクロの絵が文章を引き立たせてくれます。

訳者のあとがきには、
散文形式の和訳も記載されていますので、
1冊で3度味わえます。

実は、エドワード・ゴーリーの絵本は、日本でもとても人気がありますが、
ファンは、子どもではなく、大人なのです。

その証拠に、
アマゾンには、本日現在31件のレビューが記載されています。

発行年度や対象者が違っていますので、単純に比較できないかもしれませんが、
かがくい ひろし作「だるまさんが」のレビューは27件です(本日現在)ので、
この「うろんな客」の人気度がおわかりいただけるのではないでしょうか?

実は、私は、エドワード・ゴーリーのファンなのですが、
この作者の絵本は、クセがありますので、
良さをわかるためには時間がかかるかもしれません。

そのため、
エドワード・ゴーリーの作品を初めて読んでいただく方には、
この本が一番お勧めのように感じています。