さっちゃんのまほうのて

たばた せいいち、先天性四肢障害児父母の会、のべ あきこ、しざわ さよこ 共同制作(作) 偕成社

幼稚園に通っているさっちゃんの右手には、五本の指がありません。
そのせいで、お友達から、
「さっちゃんはお母さんになれないよ!」と言われてしまいます。

そして、さっちゃんは幼稚園を何日も休んでしまいます。

その後、さっちゃんのお母さんに赤ちゃんが生まれ、
さっちゃんはお姉さんになりました。

さっちゃんが傷ついた際の、お母さんやお父さんのさっちゃんへの言葉に、
私達親は、気付きが大きいと思います。

そして、お子さんにとっては、障害を持ったお友達の気持ちを知ったり、
違いを受け入れることの大切さを学ぶ事ができると思います。

ご家庭に1冊置いておいて、親子でお読みになって欲しい絵本です。

お勧めの絵本の理由やお子さんの反応など

何度読んでも涙が溢れてきます。さっちゃんが、幼稚園でお友達に悲しいことを言われ喧嘩をして、幼稚園を飛び出してしまいました。家に帰った時、お母さんがさっちゃんにかけた言葉や態度は、母親として、とても学ばせて頂きました。娘は、とても真剣にお話しを聞いております。さっちゃんが涙を流しているときは、とても悲しい表情をしており、読み終えた後には、さっちゃんよかったねと申しております。障害があってもなくても人は誰でも平等で、誰からも愛される価値のある大切な存在であることを親子で学べる1冊だと思います。
(神奈川県在住、3歳6ヶ月女の子、日本語700冊・英語100冊)
子どもたちが、私がいらいらしているときなどに持ってくる。私は、必ず涙声になりながら読みます。お友達と自分には少なからず違いがあることを感じているよう。 最後のページを見て、さっちゃんよかったねと微笑む。
片方の手に指がないさっちゃんがおままごとでお母さん役をやりたがると、お友達が「さっちゃんはおかあさんにはなれないよ!だって、てのないおかあさんなんてへんだもん。」と言います。どうしても発生する自分たちと違う体をもった人への偏見など、子どもは本当にいじわるな気持ちでは言っていないのかもしれないですが、言われた子は傷つくということを、子どもにも考えて欲しいと思う本です。さっちゃんが、「しょうがくせいになたら、さっちゃんのゆび、みんなみたいにはえてくる?」とお母さんに聞く場面では、どうしようもない現実に涙がこぼれます。年長さんの我が子も、真剣な面持ちで絵本を眺めていました。障害者の方への優しい気持ちが持て、自分はどのように行動すべきなのかを感じてもらえれば良いなと思います。少し長めのお話ですので、年長さんくらいの子に読んであげられると良いかと思います。