ほんとうのことをいってもいいの?

パトリシア・C. マキサック (著), ジゼル ポター (イラスト), Patricia C. McKissack (原著), Giselle Potter (原著), ふくもと ゆきこ (翻訳)

【思いやりのコミュニケーションを教える】絵本

「嘘をついてはいけません!本当のことを言いなさい!!!」
と言って、お子さんを叱ったことはありませんか?

実は、本当のことを言うことで、誰かを傷つけてしまうこともあるのです。

なぜならば、人が怒る原因の一つは、
「内緒にしたいと思っている事実を誰かに指摘された時」
だからです。

それは、傷ついた気持ちが怒りとなって表現されているということなのです。

でも、親が、日頃から、「本当のことを言いなさい」と、
子どもに伝えると、
子どもは、「本当のことなら何でも言って良い」と思い、
それを実践してしまいます。

そうすると、
【「本当のことを言ったこと」が原因】で、
お友達とトラブルを起こしてしまう可能性が高くなります。

そのようなトラブルが起きた時、
小学校低学年までは、
親や教師などの大人が仲裁することで解決できるかもしれませんが、
小学校中学年以上になると、
表面的な解決となり、いじめの原因にもなるかもしれません。

本当のことであっても、
言い方が悪かったり意地悪で言ってしまうと、
人を傷つけてしまいます。

でも、思いやりを持って本当のことを言うのは、
必要なことなのです。

では、どうしたら、
【人を傷つける本当のこと】と
【思いやりをもって本当のことを言うこと】
の違いを子どもに伝えることができるのでしょうか。

それは、具体的な事例を、
子どもに話して聞かせることかもしれません。

また、
『ほんとうのことをいってもいいの?』
を読むことも、その方法の一つです。

この絵本は、
主人公の女の子、リビーが、ママに嘘をついてしまうところから始まります。

そして、ママにしかられ、リビーは、本当のことを話したことで、
気持ちが楽になり、
「これからは、本当のことだけを言おう」と誓い、
それを実践します。

ところが、
登校中、
学校の中で、
下校の時、
リビーは、本当のことだけど相手が傷つくことを、
色々な人に話します。

そして、相手が怒ってしまったので、
帰宅後にママに相談します。

すると、ママは、
【人を傷つける本当のこと】と
【思いやりをもって本当のことを言うこと】
をリビーに話します。

そして、リビー自身も、
自分が傷つく本当のことを、知り合いから言われ、
ママの言ったことを理解します。

次の日、
リビーは、傷つけた相手に謝りました。

◆この絵本を読むことをお勧めしたい人◆

▼【人を傷つける本当のこと】と
【思いやりをもって本当のことを言うこと】
の違いを子どもに伝えたい方

▼【人を傷つける本当のこと】と
【思いやりをもって本当のことを言うこと】
の違いを親子で学びたい方

▼コミュニケーション力を高めたい方