かえるの平家ものがたり

日野 十成 (著), 斎藤 隆夫 (イラスト)

【古典の先行体験ができる】絵本▼△▼

今年の4月から施行されている、
新学習指導要領は、
学習内容が大幅にボリュームアップしています。

例えば、
これまで、中学で習っていた内容を、
小学校高学年で学ぶ単元もあります。

しかし、週休2日の影響で、学校での学習時間はそれほど増えていません。

そのため、家庭環境の影響が、子どもの成績に大きく反映されると、
私は感じていますが、
それは、文字や数字を早い時期に教え込んだり、
先取り教育を行うことなど、
目に見えることではありません。

家庭環境というのは、
伝統や文化などの体験や
正しい言葉遣いでの会話など、
マナーや教養の基礎を作ることです。

学習の伸びは、国語力の影響も大きいようです。

改正後の教育基本法では、
「伝統や文化に関数教育が重視」されましたので、
伝統的な言語文化や小学校低学年から親しむような内容となっています。

例えば、
小学校低学年では、昔話や神話や伝承など。

小学校中学年では、易しい文語調の短歌や俳句、慣用句や故事成語など。

小学校高学年では、古文・漢文など。

1年生から6年生までの各学年を通じて継続して学び、
古典に親しむ内容なのです。

私は、個人的に、この内容を素晴らしいと感じています。

なぜならば、国際人として必要なのは、
アイデンティティ(独自性)持ち、
母国の伝統や文化を自身を持って紹介できることだと、
私は考えているからです。

そして、伝統や文化を学校で学ぶ際に、
その基礎を家庭で作っておくことは大切で、
それは、家庭の中で絵本を読むだけで簡単にできるのです。

伝統や文化や伝統的な言語文化を学べる絵本の代表は、
『かえるの平家ものがたり』です。

この絵本は、
源平合戦を、擬人化した蛙と猫で綴った物語です。

子どもにもわかる言葉でありながら、
古典の導入となるような、韻を踏んだ文章と、
平安時代の建物や着物や武器を日本古来の色で描いた絵、
さらに、日本古来の草花も描かれていますので、
この絵本を読むことで、
親子で平安時代をイメージすることができます。

さらに、最後のページには、
春の七草、秋の七草の、
名前と絵が紹介されています。

絵本の大きさは、
表紙の部分が、
縦29.5センチ、
横30.1センチ
です。

開くと、
約60センチとなりますので、
合戦の場面では、迫力のある絵を楽しむことができます。

この絵本を読むことで、
あなたのお子さんは、
小学校から始まる伝統的な言語文化にスムーズに親しむことができ、
古典を好きになる可能性が高くなります。

また、この絵本を家庭に置いておくと、
中学校の授業で、
古典を苦手に感じた際に、
この絵本を読み返すことで、
「古典って、面白い!」と感じて、
気持ちを新たに勉強に取り組めるかもしれません。

さらに、親が、古典を苦手!と思っていますと、
子どもにもそれが伝わり、
お子さんが古典を苦手になるかもしれませんが、
親が、子どもにこの絵本を読むことで、
親自身が「古典って、結構おもしろかったのね!」と思うことができますので、
お子さんが古典を好きになる可能性につながります。

◆この絵本を読むことをお勧めしたい人◆

▼アイデンティティーを持った国際人にお子さんを育てたい方

▼お子さんに伝統的な言語文化をスムーズに親しんでほしいと思う方

▼「古典が苦手」だったけど、「古典の面白さ」を知りたい方

▼蛙が好きな方(笑)