ヤクーバとライオン (1) 勇気

ティエリー・デデュー (著), 柳田 邦男 (翻訳)

子育てにおける親の『勇気』って・・・

早いスピードで社会の情勢が変わったり、大きな災害を経験したりして、
私達は、状況や価値観の変化に柔軟に対応することが、
特に必要な時代を生きているのかもしれないように感じますが、
いかがでしょうか。

そして、その時に必要なのは、
周りからの高い評価や賞賛ではなく、
真の勇気や真の幸せなのかもしれません。

子育てにおきかえると、
「他人からどう見られるか」ばかりを考えて子育てをしてしまうと、
子どもの本来の成長を妨げてしまうかもしれません。

心から子どもを受け入れ、
子どもの気持ちに寄り添うことも、
時として大切な親としての勇気だと私は思います。

人生の中には、
困難な問題が起きることがあります。

それは、戦争や紛争やいじめや虐待や災害かもしれません。

そのような際に、
暴力や紛争や仕返しや連鎖を引き起こす言動を行っても、
解決しないことが多いのです。

それよりも、戦わないこと、
相手を思いやること、
良心に従った行動をすること
など、真の勇気を持つことが、
根本から解決できるために必要です。

「ヤクーバとライオン」の舞台は、アフリカ奥地の村です。

ある年齢になった少年は、
槍でライオンを倒すことによって、
一人前の男と認められ兵士になることができます。

主人公の少年ヤクーバが出会ったのは、傷を負い弱ったライオンでした。

ヤクーバは、ライオンを殺さずに、
「勇気のない男として軽蔑され仲間外れにされること」を選択しました。

ヤクーバは、生きるものの命を守る選択をしたのです。

その結果、ヤクーバは、村外れで牛たちの世話をすることになりましが、
村の牛たちは、二度とライオンに襲われることはありませんでした・・・。

ここまでが【ヤクーバとライオン 1勇気】の内容です。

ヤクーバがライオンを殺していれば、
ライオンたちはヤクーバの村の牛たちを襲い、
その事が原因で、
ヤクーバの村人はライオンを襲い・・・
という、殺し合いの連鎖を、
他の村人は知らないのですが、
ヤクーバの真の勇気が断ったのです。

ここまででも、深い内容の話なのですが、
【ヤクーバとライオン 2信頼】は、
さらに、深い内容となります。

人間も動物も飢えて死んでいく飢饉のような状態になり、
ライオンたちは、ヤクーバの村にやってきました。

ヤクーバとあのライオンが戦わなければいけなくなってしまったのです。

この2人(一人と一頭)は、真剣に戦うふりをします。

相手のいのちを守り、信頼を確かめ合い、
深く尊敬しているからです。

●自立した人同士が勇気を持って選択し、行動すること

●真の勇気

●プライドのある行動

この3つについて、感じ、学ぶことができる絵本です。

絵は、モノクロで派手ではありませんが、
臨場感と迫力を感じることができます。

3歳くらいから読み聞かせは可能です。

内容を深く感じられるのは、小学校1年生以降かもしれません。

この内容は、子どもではなく、
大人に是非読んで頂きたいと思います。

◆子どもに真の勇気を伝えたい親御さん

◆勇気を持って行動したい方

◆本当の信頼を学びたい方

などに、お勧めの絵本です。