あくたれラルフ

ジャック・ガントス(作) ニコール・ルーベル(絵) いしいももこ(訳) 童話館出版

「親の言うことは聞かないし、空気は読まないし、
じっとしていられなくて動きまわるのが子どもなんです。
だから、親が工夫をし続けることが必要なんです♪」

これは、子育てで悩んでいるお母さんの話を聞いた後に、
私が伝えている言葉です。

子育てで悩んでいるお母さんの多くは、
「子どもは親の言うことを聞くのは当たり前」
「子どもは病院などでは静かにするのが当たり前」
「子どもは公共の場ではじっとしているのが当たり前」
のように、無意識に考えていることが多いのです。

でも、現実は、その反対ですよね☆

子育てで悩んでいるお母さんには子どもの本質がわかりますし、
元気はつらつのお子さんは自分に重ね合わせて共感できる、
そんな絵本を紹介します。

あらすじ

セイラのねこ、ラルフはあくたれねこでした。

セイラはからかわれても、
パーティをだいなしにされても、
どんなあくたれをされても、
ラルフのことが好きでした。

ところがサーカスにでかけた時、
ラルフのあくたれは度をこして…。

<Amazonより>

子育てワンポイントアドバイス

可愛くて優しい言葉があふれている感動する絵本
を選びたがる親御さんは多いかもしれません。

でも、それだけが良い絵本というわけではありません。

個性的な絵や物語が描かれている絵本は、
ページをめくりながら絵を見るだけで物語の世界に入ることができる、
素晴らしい絵本と言えます。

『あくたれラルフ』は、タイトルに「あくたれ」という言葉が使われていますし、
表紙にはお人形の首をもいでいる、お世辞にも可愛いと言えない真っ赤なネコと
ちょっと怒った顔の女の子の絵が描かれています。

本屋さんで目にしても、手に取る人は少ないように感じられますが、
子育て中のお母さんには、必見の絵本です。

なぜならば、主人公の真っ赤なネコのラルフの行動は、
人間の子どもにそっくりだからです。

幼児期から小学校低学年くらいの子どもは、
親からすると、やって欲しくないことを、
これでもかというくらいやってしまうことがありますよね・・・。

特に、好奇心旺盛な子どもは、行動力もありますので、
親の想定外の事もやってしまいます。

この絵本では、
ラルフがあくたれをやり過ぎてしまい、困った経験を積み、
家に帰ります。

そして、「家は良いものだ」とラルフは思いますが、
それでも、あくたれをやってしまいます・・・。

どんなにあくたれなラルフでもいなくなると、家族は寂しさを感じます。

この絵本を読むことで、

・子どもは、「大人から見ると問題行動に思える行動をするのは当たり前」と理解できます。

・お子さん自身は自分に重ね合わせて共感できます。

・いたずらっ子でも可愛いと思う気持ちになります。

・子どもの行動を許せる気持ちになります。

私は、自宅に2000冊以上の本を置いています。

その中で一番好きな絵本です。

よろしければ、親子でお読みくださいね♪

お勧めの絵本の理由やお子さんの反応など

セーラという女の子が飼っているネコは、ラルフという名前のあくたれネコです。セーラとラルフのやり取りは、お母さんと子どもの関係に良く似ているなあ。と感じます。やんちゃなお子さんをお持ちのお母さまに、特におすすめしたい絵本です。(内容が深い絵本)