タンタンタンゴはパパふたり

ジャスティン リチャードソン (著), ピーター パーネル (著), ヘンリー コール (イラスト), 尾辻 かな子 (翻訳), 前田 和男 (翻訳)

同性カップルを、結婚に相当する関係と認める書類を発行する制度が、2015年11月5日から東京都渋谷区と世田谷区で始まりました。

それ以来、パートナーシップ条例を出している自治体が増えています。

パートナーシップ条例が広まると、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)への関心は高まる可能性があります。

また、ご自身のお子さんやお子さんのお友達が、LGBTかもしれない可能性もあります。

LGBT関連の絵本を読んでおくと、LGBTを自然に理解できるのではないでしょうか。

日本には、LGBT関連の絵本は少ないのですが、実際に起きたペンギンが主人公の絵本を1冊紹介します。

あらすじ

動物園にはいろんな家族がいます。でもペンギンのタンゴの家族はちょっと違っていました。

ロイとシロのパパふたりとタンゴ、それがタンゴの家族なのです──。

ロイとシロのおすペンギンは、いつからかお互いに気に入り、カップルになりました。一緒に泳いで一緒に巣づくりして、いつも一緒にいました。

ところが、他のカップルは、ただ一緒にいるだけでなく、どうやら巣の中で何かをあたためている模様。

しかもそうこうしているうちにそのあたためたものがかえって赤ちゃんペンギンが誕生しているではありませんか。

ロイとシロは、近くにあった卵の形をした石を拾ってきて、さっそく毎日毎日交替であたためはじめました。

でも石のたまごはちっともかえりません。

そんな様子を眺めていた飼育員がはたと思いつきます。

他のペンギンカップルが育てられなかったたまごをそっとふたりの巣においてやります。

そして、ふたりにしっかりあたためられた卵から、タンゴが生まれたのです──。

ニューヨークにあるセントラル・パーク動物園で実際にあった話を絵本にした『and Tango makes three』の邦訳版です。

なかなかかえらない石のたまごを暖め続ける切なさ、待ちに待った赤ちゃんペンギンが生まれる瞬間、読み終わった後、ほんのりあたたかい気持ちになれる絵本です。

著者について

▼ジャスティン・リチャードソン(Justin Richardson, M. D.,)
医学博士。コロンビア大学とコーネル大学の准教授。

子どもが知りたいのに質問しづらい、そして親には答えづらいセックスについて答えた著書があり、New York Times紙をはじめ、テレビ番組の Todayや 20/20、ラジオ番組NPR’s Morning Editionで親たちへのアドバイスを行っている。

▼ピーター・パーネル(Peter Parnell)
脚本家。最新作QEDはブロードウェイで上演。

テレビ番組The West Wingの元共同プロデュサー。ニューヨーク在住。

▼ヘンリー・コール(Henry Cole)
イラストレーター。

ハーヴィ・ファイアスティーン作の絵本「The Sissy Duckling」のイラストをはじめ多くの絵本を手がけるなど、活躍ぶりは多才。ワシントンD.C.在住。

▼尾辻かな子(おつじ・かなこ)
1974年生まれ。同志社大学商学部卒業。

2003年28歳のときに、最年少で大阪府議会議員に初当選。

05年にレズビアンであることをカミングアウト。日本初の同性愛を公表した議員となる。

07年、参議院選挙に立候補。著書に『カミングアウト?自分らしさを見つける旅』(講談社、2005)など。

▼前田和男(まえだ・かずお)
1947年東京生まれ。東京大学農学部卒業。

翻訳家、ノンフィクション作家、編集者として活動する傍ら企画会社を経営。

著書に『足元の革命』(新潮新書、2003)、

訳書に『パウエル リーダーシップの法則』(kkベストセラーズ、2002)など。

<Amazonより>

子育てワンポイントアドバイス

<内容紹介>と<著者紹介>を読んでいただくだけで、専門性の高い人が実際に会った話を元に、子どもにもわかりやすく伝えている絵本ということをご理解いただけると思います。

私自身は、10年ほど前に、ヨーロッパ在住の方から、このような相談を受けたことがありました。

「友人のゲイのカップルが結婚をして、代理母に出産をしてもらって、赤ちゃんが生まれました。子どもと一緒に赤ちゃんを見に行くのですが、男性2人のカップルと赤ちゃんについて、お母さんがいないこと等を質問されたら、どう答えたらよいでしょうか?」

その友人との関係や友人の性格や国民性など、私にはわかりませんので、どうすることがふさわしいかを考えました。

そして、「訪問をした時のお子さんの言動を不安に感じていることを、訪問前に、ご友人へ相談してみてはいかがでしょうか?」と伝えたように思います。

日本でもこのようなことが一般的になる日も来るかもしれません。

それも、グローバル化の1つかもしれませんね。

この絵本を読むことで、親子で、色々な人がいることや多様性を自然に受け入れられる可能性が高くなると思います。

他のペンギンカップルが育てられなかったたまごをそっとふたりの巣においた飼育員さんの機転と思いやりに、心が温かくなります。

この絵本は次の方にお勧めします。

1.LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)を親子で自然に理解したい方
2.機転や思いやりを学びたい人
3.親子で、色々な人がいることや多様性を自然に受け入れたい人