ねずみとくじら

ウィリアム・スタイグ (著), せた ていじ (翻訳)

【本当の友情とは?】⇒『ねずみとくじら』

子どものお友達関係を気にする親御さんは少なくないようです。

あなたはいかがでしょうか?

幼稚園や保育園や学校で仲よく遊ぶのが友情でしょうか?

放課後や休みの日に一緒に遊ぶのが友情でしょうか?

『ねずみとくじら 』の絵本は、
体の大きさも住んでる場所も全く違う、ねずみとくじらの、
本当の友情を描いた物語です。

この絵本を読むことで、
本当の友情について、
親子で学ぶことができるのではないでしょうか。

あらすじ

海が大すきなねずみのエーモスは、船をつくり航海にでた。

ところが海におちておぼれそうになったとき、
くじらのボーリスにたすけられる。

それから長い年月がたったある日、
嵐にあったボーリスが、
エーモスのすむ浜べにうちあげられた…。

小さなねずみと大きなくじらの友情のお話。

<出版社からの内容紹介>

子育てワンポイントアドバイス

「家が近い」
「出席番号が近くて一緒に並ぶことが多かった」
「部活が一緒」
「最初におしゃべりをした」
「好きなものが似ていた」
「趣味が同じ」

学生の頃の友達は、
このように、
「何かが似ていたことがきっかけで仲良くなった・・・」
という方は少なくないのではないでしょうか。

そして、今でも、
「友達に何かが似ている事」や「同じであること」を
他人に求めている人も多いのかもしれません。

親がこのように考えてしまうと、
どのような困ったことが起こると思いますか?

・「みんな持っているんだよ!」
と子どもに言われて、
本当は買いたくないおもちゃを子どもに買ってしまう。

・「みんな見ているんだよ!」と言われ、
本当は見せたくないテレビ番組を見せてしまう。

他にもあるかもしれません。

つまり、
「家庭の価値観と違うこと」や
「親がやりたくないことをする」などの可能性が高くなりますよね。

「『友だち』ってなあに?」と子どもに聞かれた時、
あなたはどのように答えますか?

「一緒に居て欲しい相手」
「話を聞いて欲しい相手」
など、相手に「欲しい」と思うのは、
「奪う」ということかもしれません。

私は、
「『相手が困った時、自分が助けたい人』があなたにとっての友達よ♪」
と娘たちに伝えていますし、私自身もそう思っています。

「相手が目標に向かって進んでいる時に心から協力したいと思い、協力する相手」
「相手が困っている時に、お金や時間やエネルギーを差し出せる相手」
など、自分が何かをしてあげたいと思う人が友達だと思っています。

『ねずみとくじら 』は、
体の大きさも住んでいる場所も違っていても、
何年も会っていなくても、
相手を助けることが本当の友情ということを教えてくれる物語です。

地味な色使いに見えるかもしれません。

でも、クジラの表情をみるだけで、
クジラの気持ちがとっても伝わってきます。

この絵本を読むことで、
「表情から相手の気持ちを察する」
ということもできるようになるように感じています。