アリキ(作) 神鳥統夫(訳) あすなろ書房
お子さんが、文章の長い絵本を読めるようになると、
「『児童書』を紹介してください」とおっしゃる方が多いようです。
でも、児童書を読むのと同時に、
複雑な気持ちが書かれている絵本や、
論理的な思考が育つ絵本や、
知識を深める絵本など、
内容を吟味した絵本を読むことも大切です。
なぜかと申しますと、2011年から小学校の教科書の改訂があるからです。
本日の新聞に、2011年度から使用される小学校の教科書のページが、
現行の教科書よりも25%増えたとの記事が掲載されていました。
教科書のページ数は25%増えたのに、
授業時間は全体で5%しか増えていないため、
進度が速くなる可能性も考えられます。
また、教科書の編集者は、
「言葉の力が全ての教科につながっている事を意識した」
と語っています。
そのため、知識の暗記だけではなく、
活用する力を育てようとする記述が多くなっているようです。
新指導要領では、言語活動の充実がうたわれています。
知識を活用するために必要なのは、
情報の内容を自分の言葉で理解して活用する力です。
その力の基礎を作るのに、
最適なのは、絵本です。
この『エジプトのミイラ』は、
「古代エジプトの神様たち」「ミイラの種類」「ミイラの作り方」
「ミイラのおまもり」「埋葬方法」
「ピラミッドについて」まで、
古代エジプトのことを、子どもにもわかりやすい絵と漢字交じりの文章で書いてあります。
漢字には、振り仮名が記載されています。
博物館や美術館では、「エジプト展」が、数年ごとに開催される事が多いようです。
展覧会に、親子で行く事はとても良い事ですので、
小さいうちに、このような絵本をご家庭において、
折に触れて読んでおくと、
展覧会の内容がより深く理解できます。
また、小さいうちからこのような絵本を読んでおくことで、
ボリュームアップした教科書に、
抵抗感を持つことなく、親しみながら学べるようになります。