中村妙子(訳) 東 逸子(絵) 偕成社
大人が読むほうが気付きが大きいかもしれません。
お子様がいらっしゃらない方にもおすすめです。
「さんたくろーすって、いるのでしょうか?」
この本に記載をされている内容は、
1897年、今から110年前に、
アメリカ・ニューヨークのサン新聞に掲載をされた社説です。
いまでは、クリスマスの時期が近づくと、
アメリカのあちこちの新聞や雑誌に繰り返し掲載されるそうです。
日本でも朝日新聞(天声人語)や読売新聞(社会面)に掲載をされたり、
NHKテレビにその内容を、取り上げられたことがあるそうです。
当時8歳の、女の子のバージニア=オハロンちゃんは、
サン・新聞に手紙を書きました。
その手紙は、
『あたしの友達に「サンタクロースなんていないんだ。」っていっている子がいます。
パパに聞いてみたら、
「サン新聞に、問い合わせてごらん、新聞社で、サンタクロースがいるというなら、
そりゃもう、たしかにいるんだろうよ。」といいました。
ですから、お願いです。教えて下さい。
さんたくろーすって、いるのでしょうか?』
という、内容です。
そのお手紙のお返事として書かれた社説の内容は、
愛に満ちあふれています。
大人が読んでも、深い感動を得ることができると思います。
私は読むたびに、【愛】を感じ、涙を流してしまいます。
おすすめのポイント
おすすめのポイントは2つあります。
一つ目は、その文章の内容です。
社説ですので、文章の量は少ないのですが、
読むたびに、気付きを得る箇所が違います。
『そうです。バージニア。
サンタクロースがいるというのは、けっしてうそではありません。
この世にの中に、愛や、人への思いやりや、まごころがあるのとおなじように、
サンタクロースも確かにいるのです。』
の言葉は、目に見えることや数字で統計が出たことした信じられなくなった大人への
メッセージにも受け取ることができるのではないでしょうか。
次に、アメリカの文化を知るということです。
子どもに英語を身に付けさせたいと、
赤ちゃんのうちから高額な英語教材を購入なさる方が少なくないようです。
経営コンサルタントのジェームス・スキナーさんは、
英語・日本語・中国語が堪能(たんのう)で、
日本では日本語でセミナーをなさいます。
そのセミナーでは、【合気道】や【松下幸之助さん】のお話もされます。
彼は、
「その国の言葉を学ぼうと思えば、【3000時間】あれば、学べます。
しかし、その国に生まれ育った人なら、
誰でも知っているということまで学ぼうとすると、
【3万時間】必要です。」
とおっしゃっていました。
【その国に生まれ育った人なら誰でも知っていること】というのは、
【その国の文化】ではないでしょうか。
【文化】を知ることは、生活様式や思考パターンや民族性を理解することです。
数十万円ものお金を支払って英語をおうむ返しのように口から発音することと、
このような本を読み、アメリカやアメリカの文化に興味を持ってから
英語を学ぶのでは、もし、同じように【英語が話せるようになった】としても、
【英語の使い方が違う】のではないでしょうか。
感動とともにアメリカの文化を学ぶことができます。