中川 正文 (著)
「どう生きるか」を考える絵本!
人生は平坦な道を歩くのではなく、
順調に成長できるに感じる「上り坂」があれば、
逆風の中にいるように感じる「下り坂」もあるようです。
そして、さらに、ある日突然、
全てを失うような衝撃を受ける
「まさか!」もあるのです。
多くの人は「上り坂」を望み、そうでない場合に、希望を失ってしまうかもしれません。
でも、何かを成し遂げた人に話を聞くと、
実は、
「『下り坂』や『まさか』の時ほど、学びが大きかった」
と言う人が多いのです。
私達も、何かを達成する際に、
簡単にできた時よりもそうでなかった時の方が、
学びや喜びも大きいと感じているかもしれません。
それは、
補助なし自転車に乗ることだったかもしれませんし、
鉄棒で逆上がりができた時かもしれませんし、
試験に受かった時かもしれませんし、
それ以外かもしれません。
そして、「まさか」の時に、その人の本来の姿が、
行動や言葉として表われるように、私は感じています。
子育てをしている私達は、
子どもに対して、
先生の言うことを聞き、礼儀正しくし、素直で賢くあることを、
無意識に望んでしまうかもしれません。
しかし、子どもは、好奇心旺盛で、
思ったことを口に出し、
やりたいことをすぐに行動に移してしまいます。
実は、この行動が創造性を育んでいるのです。
今のように、変化が激しい時代は、
子どものような特徴を持った想像性の豊かな大人が、
心豊かに過ごせる時代かもしれません。
そして、平穏に無難に過ごしながら、
未来を不安に感じるのではなく、
静かなワクワク感を感じながら、
今を過ごすことを積み重ねることが、
毎日をhappyに生きるコツのように感じています。
本日紹介する絵本は、
いたずらたぬきのごろはちが、村の人に色々ないたずらをすることから、
始まります。
やがて、村の多くの人が危険にさらされた時、
ごろはちは、命を懸けて村人たちを守るのです・・・。
しかし、作者の中川正文さんは、
はじめから終りまで、
奈良地方の言葉で明るく語り続けます。
鳥獣戯画に影響を受けて絵本作家になった
「梶山俊夫さんの温かい絵」と
「中川正文さんの明るい関西弁」、
主人公のたぬきのごろはちの生きざま」
の3点が、
「どう死ぬか」ではなく、
「どう生きるか」を考えさせてくれる、
とても深い内容の絵本です。