谷川俊太郎 (文) 長 新太 (絵) 福音館書店
2015年8月発行に内閣府が発行した「自殺対策白書」によりますと、
「9月1日は、1年の中でも18歳以下の自殺者数が突出して多くなる日。その割合は、なんと他の日の2.6倍!」
だそうです。
2番目に多いのは翌日の9月2日、3番目に多いのは前日の8月31日です。
自殺の原因は何だと思いますか?
「いじめ?」「友だちとの不仲?」
それもありますが、順位が高いのは別の原因です。
詳しくは、子育てワンポイントアドバイスで!
あらすじ
わたしは山口みち子、5才。
お兄ちゃんからみると“妹”
でも、犬からみると、“人間”。
わたしはひとりなのに呼び名はいっぱい。
社会関係を楽しく描きます。
<Amazonより>
子育てワンポイントアドバイス
私が住んでいる福岡市では、公立の小中学校は、昨年まで、9月1日から2学期が開始でした。
しかし、今年は、昨年よりも3日早い、8月29日から2学期が始まりました。
ただ、今日からお子さんは学校へ登校という方も多いのではないでしょうか。
9月1日は、1年の中でも18歳以下の自殺者数が突出して多くなる日。
2015年8月発行に内閣府が発行した「自殺対策白書」のデータです。
子どもが自殺する理由は、どのような事だと思いますか?
「いじめ」「学友との不和」も原因にはありますが、その何倍もの原因になっているのは、「家族からのしつけ・叱責」「親子関係の不和」なのです・・・。
また、中学高校生になると、自殺の原因の上位に、「学業不振」「進路に関する悩み」が加わります。
日経DUAL(デュアル)2014年11月6日号「舞田敏彦のデータで読み解くDUALな疑問」では、
個々の動機は実に様々ですが、それらの下にある共通の地盤、すなわち今の子どもの「生きづらさ」をもたらす現代的状況とはどういうものでしょう。一言でいうなら、「逃げ場がない」ことだと思います。
と紹介されています。
親は一生懸命なだけだと思いますので、親の思いと子どもの気持ちがすれ違ってしまったのかもしれませんね・・・。
自殺が減ることを心から願っています。
「他との関係において成り立つさま」を「相対的」と言います。
<自分が、【たくさんの関係の中にいること】に気付く>と、逃げ場所や安心できる場所や休息できる場所を探せるかもしれません。
『わたし』の絵本では、相手から見た自分がいくつも紹介されています。
「男の子から見ると女の子」
「赤ちゃんから見るとお姉ちゃん」
「お兄ちゃんから見ると妹」
「お母さんから見ると娘のみちこ」
「お父さんから見ても娘のみちこ」
など、25名の相手からみた<わたし>が紹介されています。
この絵本を読むと、
・沢山の人の中で生きていること
・色々な自分であること
・自分の周りの世界が思ったより広いこと
などに、親子で気付くことができます。
このようなことに気付くと、視野が広がり安心感が増えるように感じます。
この絵本はこのような方にお勧めです。
・親子で視野を広げたい方
・【たくさんの関係の中にいること】に気付きたい人
・逃げ場所や安心できる場所や休息できる場所を探したい人
・色々な自分であることに気付きたい人
・自分の周りの世界が思ったよりも広いと実感したい人
・視野を広げて安心感を増やしたい人
この絵本を読んで、短い言葉で奥行きのある深いことを教えてくれる谷川俊太郎さんは天才だと、改めて実感しました。
何度も繰り返し読みたい絵本です。