神沢利子(作) 岩村和朗(絵) 金の星社
おすすめのポイント
『はけたよ はけたよ』、『たまごのあかちゃん』、『くまの子ウーフ』の作者、神沢利子さんが文章を書かれ、
『14ひきシリーズ』、『タンタンのずぼん』の作者、岩村和朗さんが絵を描かれた絵本です!
ともこちゃんが画用紙と色紙でお雛様を作っていると、
風が吹いて画用紙と色紙が外に飛んでいきました・・・。
ともこちゃんが画用紙と色紙を探しに外に行くと、
お友達のゆうくんとねこのみーやがいて、
一緒に探してくれます。
すると、ねずみやうさぎたちが画用紙をもって、走っていく姿が見えます。
ここに出てくるねずみは『14ひきシリーズ』とおなじねずみですので、
『14ひきシリーズ』が大好きなお子様は、たまらない感動を味わえると思います。
ともこちゃん達がついていくと、
たんぽぽのはらで、うさぎやきつねやたぬきが集まって、
ともこちゃんが作ったお雛様を飾ってお雛祭りをしていました。
そこで、ともこちゃんたちも仲間に入れてもらって、
みんなで一緒にお祭りをしました。
豪華なお雛様を飾るお話ではなく、
自分でお雛様を作ろうと考える、幼児の気持ちを、
ほのぼのと描いたお話です。
自分が作ったお雛様を、野原の動物たちが飾っている様子を見て、
ともこちゃんは、
「それ、私のお雛さまよ!」というのではなく、
「すてきなお雛様ね。」と伝え、
「みんなのお雛様になって嬉しそう!」とみんなでお祝いできることを喜びます。
乳幼児期は、自分の物に対して、執着を示します。
そのため、お友達やきょうだいで、
おもちゃの貸し借りを行ったりひとつのおもちゃで一緒に遊ぶことが難しいのです。
そのような様子を見て、「仲良く遊びなさい!」と親が怒りながら100回言うよりも、
このような絵本を優しい声で繰り返し読んであげる方が、
子どもにとっては、ひとつの物をみんなで楽しむ事を身に付ける事ができます。
お雛祭りを楽しむことや、
ひとつの物をみんなで楽しむことが学べる絵本です。