おかねのきもち

やまもとゆか (作), ヨシヤス (絵) ベストセラーズ

生きていく上で大切な事を、子どもへ、わかりやすく伝えるために、
絵本は最適な教材です。

お金をテーマにしている、良い絵本は、今までありませんでした。

なぜならば、お金の事を語ることができる絵本作家の方がいなかったから、
かもしれません。

この絵本は、株式投資やFX取引をテーマに、執筆や講演を行い、
子ども向けの金銭教育にも携わっている
2児の母親の山本有花さんが、
子どもにもわかる言葉で、お金について書いた絵本です。

この絵本の素晴らしい点は、3つあります。

一つ目は、「本当にお金を大切にするということ」を伝えている点です。

この絵本の主人公は、1円玉のみっけです。

そのみっけを、あみちゃんは、大切に扱ってくれます。

お金を貯めて、貯まったお金を大切にするという概念は、
みんなが持っているかもしれませんが、
1円玉そのものを大切に扱うのは、本当にお金を大切にすること、だと感じます。

余談ですが、子どもは、自分と同じ名前の登場人物が出てくる絵本を読んでもらうと喜びますので、
お子さんのお名前が「あみちゃん」の場合には、是非、読んであげてください(笑)。

二つ目は、「アイデンティティーを持つこと」を表現している点です。

「アイデンティティー」とは、独自性という意味です。
アイデンティティーを持つと、人は自信を持つことができます。

ただの1円玉だった主人公は、
「ぼくは、みっけ。1円玉のみっけだ!」と、気付いた時に、
自信を持つことができました。

三つ目は、「人の役に立つこと」を伝えている点です。

お金の貯め方を伝えている本は、世の中にたくさんありますが、
「お金の使い方」を伝えている本は、ほとんどありません。

人の役に立つお金の使い方を、学ぶことができます。

良い絵本というのは、1つのテーマだけではなく、
複数の事柄を同時に伝えています。

この絵本は、
「本当にお金を大切にするということ」、
「アイデンティティーを持つこと」
「人の役に立つこと」
を、同時に学ぶことができると、私は実感しています。

お勧めの絵本の理由やお子さんの反応など

最近、周りのお友達の影響か、お小遣いが欲しいと言い出した息子に、お金の大切さを分かって欲しい、1円でも大切に出来る子になって欲しいと思い、この本を読み聞かせたところ、お手伝いをしてくれた時に、お駄賃として渡した1円を、「1円玉のみっけやー」と言って、それはそれは、大事そうに貯金箱に入れていた。それからも、お金を絵本に書いていた名前で呼ぶようになり、とても大切にしているように感じられたから。
(京都府在住、6歳11ヶ月男の子、日本語250 冊)