三月ひなのつき

石井 桃子 (著), 朝倉 摂 (イラスト)

学校で教えてくれないけれども、人生には大切なことがあります。

例えば、お片付け、お金の遣い方など。

断捨離や物の処分、お金の教育など、私達親は、子どもにどうやって教えたらよいと思いますか?

今の季節にピッタリのお雛様の物語の中に、人生を豊かに過ごすためのお買い物について描かれている絵本を紹介します。

あらすじ

よし子はまだひな人形を持っていません。

お母さんが規格品を買い与える気になれないからです。

ひなまつりを通して母と子の心の交流をすがすがしく描いた童話。

<Amazonより>

子育てワンポイントアドバイス

「それ、お子さんへ伝えましたか?」

子育ての悩みについてのお話を一通り聞いた後で、最近、私が親御さんへ質問をすることが多い言葉です。

「子どもために!」と思って考えていることはよくわかります。

お子さんの将来のために、より良い選択をしたいと思う気持ちを持っていることも伝わってきます。

でも、その考えや気持ちをお子さんへ話さなくて悩んでいる親御さんはとても多いのです。

だから、親の考えや気持ちや希望を伝える、子どもの考えや気持ちや希望を聞くというコミュニケーションはとても大切だと思います。

また、最近は、物や選択肢が多く、物を処分するお片付けを教えてくれる情報が多く出回っています。

お片付けやお掃除をして心地よく暮らすことは大事なことです。

ただ、その状態を維持するためには、お買い物の際に、吟味(ぎんみ)するということが必要なのではないでしょうか。

お金の教育について、子どもへどう教えたらよいかを聞かれることがあります。

買う物を吟味するという、お金の使い方は、お金の教育をする前に必要な事ではないでしょうか。

『三月ひなのつき』は、1963年初版の絵本です。

半世紀以上前に出版された絵本ですので、絵や物語は古いように感じられるかもしれません。

でも、自分がイメージしている雛人形を買いたいことを伝える時の親子の会話やそのために行動する姿などは、今の時代に暮らし私達のお手本になる要素がたくさんある物語です。

この絵本は、このような人にお勧めです。

1.お手軽な買い物ではなく、大切にしたいと思う物だけを購入したい人

2.親の価値観を伝える親子の会話を身につけたい方

3.他者も自分も尊重するコミュニケーションを親子で身につけたい方