西本鶏介(作)、長谷川義史(絵) すずき出版
お勧めの絵本の理由やお子さんの反応など
いつも大変お世話になりまして、ありがとうございます。今回はこのような素晴らしい企画に参加させて頂くことをとても嬉しく思っております。さて、この絵本をお薦めさせて頂く理由としまして、まず人の死が描かれており、死というものがどういうことなのか、子どもなりに何となく理解できるように話が作られているように感じるところです。おじいさんが亡くなり、孫の男の子が最後泣いているのですが、それだけで死というものが、人がいなくなる、二度と会えないのだということ=寂しい、悲しいこと、ということの理解ができますし、また、それだけではなく、最後は立ち直っておじいさんの口癖だった「ごくらく」という言葉を自分で反復して口に出すことで、おじいさんとの楽しかった思い出を大切に心にしまって前向きに生きていく姿まで描かれており、人が亡くなることは、生きていれば避けられない道であり、辛いけれどもきちんと受け止めて生きていかなければならないのだということを、よく理解できる絵本だというふうに私は感じましたので、今回推薦させて頂きました。私の娘は今月2歳になったばかりですが、先日実家で飼っていた犬が死に、「もう会えないんだよ、仏様の国へ行っちゃったんだよ」と伝えましたところ、写真を見て「ワンワン!」とは言うのですが、その表情がすごく悲しそうで、泣くまねをするのです。幼児とは言え、きちんと絵本で学習していれば理解が進むのだろうな、と改めて絵本の素晴らしさを実感しているところです。