瀬田貞二(再話) 赤羽末吉(絵) 福音館書店
大晦日(おおみそか)の日に、
5つのあみがさを売りに出かけたおじいさんでしたが、
かさは、1つも売れませんでした。
帰りに、6体のお地蔵さんをみつけたおじいさんは、
寒いだろうと思い、持っていた5つのかさと、自分ががかぶっていたかさの、
合計6個を、お地蔵さんにかぶせてあげました。
家に帰ると、てぶらで帰ってきたおじいさんに対して、
おばあさんは「良いことをしましたね」をおじいさんに伝え、
二人は、食事をして、寝ました。
すると、大きな掛け声が聞こえてきました。
お地蔵さんが俵を置いて、かえって行きました。
俵を見ると、餅や魚やこがねがはいっていました。
それから、二人は、幸せに過ごしました。
おすすめのポイント
【かさじぞう】は、年越しのお話です。
自分がかぶっているかさまで脱いで、
お地蔵さんにかぶせてあげた、おじいさんの行動は素晴らしいと思います。
さらに、手ぶらで帰ったおじいさんに、
「そうか、そうか。かさをもってきたって、
こんやの たしには ならないもの。
おじぞうさまに あげて よかったな。
そだらば、つけものででも としをとるべ」
と、伝えた、おばあさんの言葉は、感動的です。
相手の行動を批判せずに、心から受け取った、
このおばあさんの言葉こそ、夫への愛情ではないでしょうか。
このような、愛情のある言葉を、あなたは、配偶者に伝えていますか?
このような絵本を小さい頃から読む事で、
【無償の愛】を親子で学ぶ事ができます。
瀬田貞二さんのやさしくリズムがある文章と、
赤羽末吉さんの墨絵のような優しいタッチの絵が、
相乗効果を生んでいます。
昔話も、本物の絵本を選んで下さいね。