りんごがひとつ

ふくだすぐる (作) 岩崎書店

お勧めの絵本の理由やお子さんの反応など

みんながお腹をすかしていること、さるがりんごを独り占めしてしまうこと、みんなが怒ってしまうこと。さるががけから飛び降りた、ふりをしたところ、そしてそのさるの様子を見ていた動物みんなが「しかたないねえ」と去っていった、ふりをしたところ、この「ふりをした」という文を読むと、娘は喜んで笑います。さるは赤ちゃんさるを2 匹抱いていたため、動物達みんなは最終的に「やれやれ」と言って去っていきます。この短い本の中には、生きていく上での厳しさ、独り占めするというわがままさ、恨み、騙し、優しさ、許しと、子どもが理解するには少し難しいことが、ユーモアとともに表現されています。生きていく上でこれから子どもが遭遇するであろう情況で、正しい判断ができるよう、優しい気持ちを持てるよう成長してもらいたいです。心が温まるお話です。
(北海道在住、2 歳2 ヶ月女の子、日本語188 冊・英語25 冊)