ぼくを探しに

シルバスタイン(作) 倉橋由美子(訳) 講談社

お勧めの絵本の理由やお子さんの反応など

「何かが足りない!」と感じている【ぼく】が、足りない【かけら】を探しに行くお話です。読む人が今置かれている状況によって、様々な解釈ができる絵本です。黒一色で描かれた、シンプルな絵と、必要な文字だけが書かれた文章です。とても余白が多いのですが、この余白は、俳句と同じように、必要なものだけを残し、他のものは一切削り、読み手に感じ取って欲しいというような、印象を受けました。人は、足りない物を数えると不幸になり、今ある物を数えると、感謝の気持ちが芽生え幸せを感じる事ができます。そのような事を気づかせてくれる絵本です。シルバスタインの有名な絵本には、無償の愛を描いた600 番の『おおきな木』がございます。この絵本と同時にお読みになることで、愛情や幸せなどについて、深く感じる事ができると思います。(内容が深い絵本)