くものすおやぶんとりものちょう

秋山あゆ子(作) 福音館書店

虫の町の、お菓子屋さんに、盗みの予告状が届きます。

ぬすっとを待ち受ける、くもの巣の親分の前に現れたのは、
姿が見えない盗賊でした。

さあ〜くもの巣の親分は、盗賊を捕まえる事が出来るでしょうか?

時代劇調の言葉がとても面白い絵本です。

おすすめのポイント

生活習慣や文化を学ぶ際も、絵本は良いテキストだと、私は思います。

海外の絵本をたくさん読むことも素晴らしい事ですが、
日本の文化を深めるためには、
日本の絵本を読むこともおすすめいたします。

この、絵本では、登場するのは、全て虫ですが、
テンポの良いストーリーを、親子で楽しみながら、
江戸時代の文化を学ぶ事ができます。

「悪い人は、捕まりました。めでたしめでたし」ではなく、
捕まった後の【かくればね】は、
新しいお仕事を行うようになるというお話は、
良い人か悪い人のような、区別ではなく、
悪い事をした人でも、良い事を行なえるようになる事を、
親子で学べると思います。

お勧めの絵本の理由やお子さんの反応など

虫の世界が舞台の本は珍しい。江戸時代の街と町家の様子が詳細に描かれている。捕り物の面白さと江戸言葉の妙。実在するオニグモとハエトリの特徴を上手く表現してある。「おやぶん」に安心感を持つのか、7歳の娘も、2歳の娘も大好き。大型絵本でお話会をやったが、子どもたちの反応も上々。
(広島県在住、7歳女の子(双子)・2歳6ヶ月女の子、日本語1000冊・英語20冊)
かくればねという怪盗兄弟が色々なところに隠れるシーンがあるのですが、それを探し出すのが楽しいらしく5歳児(男の子)のお気に入りになっています。また、紙面に色々細かく描きこまれているので、絵の隅々まで見るのが楽しいです。
当時5歳の長男は、たくさんの虫の絵に1ページ1ページ隅から隅まで細部まで見て喜び、当時2歳の次男は私の江戸っ子風の読み聞かせに大喜びでした。2人一緒に喜んで聞いてくれた本です。今でももちろん大好きで読んであげています。とにかく和風の絵は新鮮です。(虫たちが着物を着ているんですよ)とても緻密に江戸時代(多分江戸時代)の風景が描かれています!