まゆとりゅう

富安陽子(文), 降矢なな(絵) 福音館書店

お勧めの絵本の理由やお子さんの反応など

やまんばとその娘、まゆが山で生きる姿が、季節感豊かに生き生きと描かれています。やまんば母さんの作るやまもものおさけ、山菜のたっぷり入ったおにぎり、大根汁には思わず喉をならしてしまいます。朗らかでたくましく自然と関わるまゆの姿は、命の躍動そのものです。そして、とくにまゆに構うわけでもない山姥の姿に、しかしとても深い愛情を感じるのです。人間と自然は共生しているということ、自然は素晴らしいということ、親と子の関わり、人間の豊かさを再び私たちに問いかけてくるやまんばとまゆの生きる姿。説明しても教えられないことを体感させてくれる、しかも創造性豊かな逸品だと思います。
(鹿児島県在住、3 歳6 ヶ月女の子、日本語390 冊・英語50 冊)